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内耳再生Nラセン神経節細胞と神経細胞の再生

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ラセン神経節への細胞移植

 神経幹細胞を内耳(ナイジ)の神経細胞であるラセン神経節細胞の再生に応用することが期待できます。薬物で障害したマウスのラセン神経節が元来あった場所に神経幹細胞を移植してみると、神経幹細胞がその場で生き続け、一部神経細胞になることがわかりました。このことは、神経幹細胞の移植により、ラセン神経節細胞も再生できる可能性があることを示しています。しかし、神経幹細胞は脳の深いところに存在するので、将来の臨床応用のことを考えますと、実際に自分の脳から神経幹細胞を採ってきて、自分の耳に移植するにはかなりの困難が予想されます。

蝸牛の断面図(ラセン神経節細胞)

蝸牛の断面図

 このような観点から、もう少し採りやすい場所にある自分の細胞を使って、なんとかラセン神経節細胞を再生できないものかということも検討されています。神経になる能力があることが報告されている骨髄(コツズイ)から採取した間葉系細胞という細胞を内耳に移植する実験も行われています。この細胞も内耳で生着し、神経細胞になることもわかってきましたが、その数はごくわずかでした。
 細胞を移植して、ラセン神経節細胞を再生させようとする試みは、まだ始まったばかりで、可能性が示された段階にすぎません。しかし、近年の再生医療の発展に伴い、多くの有望な移植細胞が開発されつつあります。その代表例が、どんな細胞にもなることができる胚性幹細胞(ES細胞)です。ES細胞から神経細胞を作る方法はすでに確立されています。ES細胞から作った神経細胞もラセン神経節のある蝸牛(カギュウ)軸という場所に生着し、しっかりと神経線維(電線にあたる部分)を伸ばすことがわかっています。ES細胞を実際に人に応用するには、倫理的な問題など多くの問題はありますが、ラセン神経節細胞を再生させる有力な手段になると思われます。

 

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