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内耳再生Mラセン神経節細胞と細胞移植の可能性

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ラセン神経節細胞の役目

 内耳(ナイジ)にある蝸牛(カギュウ)は、空気の振動である音を電気信号に変換します。この電気信号が脳に伝わってはじめて音が聞こえたと感じられます。振動から電気信号に変える役割をしているのが有毛細胞で、このために必要なエネルギーを作っているのが血管条ということができます。脳に音というシグナルを伝える役目を果たしているのがラセン神経節細胞です。

蝸牛の断面図(ラセン神経節)

蝸牛の断面図(ラセン神経節)蝸牛の断面図(ラセン神経節)

 ラセン神経節細胞は、「双極細胞」という形をしており、細胞が2本の神経線維を反対方向に伸ばしている形をしています。有毛細胞からの信号は1本の線維が受け、細胞体を経由して反対方向の線維を通して脳の方に送られます。これらの神経線維の束を蝸牛(カギュウ)神経(聴神経)と呼びます。有毛細胞の喪失は、感音難聴(カンオン・ナンチョウ)の代表的な原因の1つですが、ラセン神経節細胞の障害も重要な要因の1つです。実際、老化モデル動物の内耳を観察しますと、ラセン神経節細胞がやせほそっている様子が観察されます。
ラセン神経節細胞は、このように「聞こえ(聴機能)」に欠かせない重要な細胞です。高度難聴者に再び聴力をもたらす「人工内耳」が効果を発揮するためにも不可欠な細胞です。人工内耳はラセン神経節細胞を直接電気刺激し、その信号を脳に伝えます。ラセン神経節細胞も内耳再生医療の重要なターゲットの1つです。

 

神経細胞の再生

 脳の含めた神経系では、神経から出ている線維(電線にあたる部分)が再生することは知られていますが、神経細胞自体は再生しないとされてきました。しかし、最近になって、成人になっても、脳には神経のもとになる細胞が存在することが明らかになりました。つまり、脳神経細胞は一部再生、補充される可能性があることがわかりました。この神経細胞のもとになる細胞が神経幹細胞と呼ばれる細胞です。
これまでの動物実験では、神経幹細胞の移植により、脳や脊髄(セキズイ)の神経細胞を補うことができることが示されています。さらに、皮膚や骨髄(コツズイ)から採ってきた細胞から神経細胞が作られることも報告されています。

 

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