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蝸牛の血管条の役割Aリンパ液

- 「聞く」仕組みについて

 

血管条の働き

 血管条は、蝸牛が正常に音を感じ取るために欠かせない大切な役割を果たしています。血管条は蝸牛が正常に働くためのエネルギー源、いわばバッテリー役をしています。つまり、@蝸牛への水分(リンパ液)の分泌(ブンピツ)、A蝸牛への栄養供給、B蝸牛の特殊なイオン環境の維持、などの働きをしています。これらはいずれも、3種類の細胞の膜に存在する数種類のポンプの働きによるものです。
 また、血管条にあるバリア構造も重要な役割を果たしています。このバリアがなければ、イオンや水分が漏れてしまって、蝸牛がうまく働かなくなってしまいます。一方、血管条のバリアの存在は、難聴治療を考えた場合に重要な意味を持ちます。血管条のバリアは血液に含まれる物質がむやみに蝸牛の中に入っていくことを防いでいるのですが、治療目的に投与した薬物もなかなか蝸牛の中に入っていかないのです。つまり有毛細胞に薬を到達させようとしても、血液を到達させることはとても難しいということになります。

蝸牛断面図(血管条)

蝸牛断面図

 

内リンパ液と外リンパ液

 特に「聞こえ(聴覚機能)」と関係の深い血管条のイオン調節について、少し詳しく説明します。蝸牛の中は、3つの部屋に分かれているのですが、有毛細胞が存在する中央階と他の2つの部分では中に入っているリンパ液の組成が少し異なります。中央階に入っているリンパ液を内リンパ液、その他の部分を外リンパ液と言います。
 外リンパ液は、脳にある脳脊髄液とほぼ同じ組成をしています。ところが、内リンパ液は、高濃度カリウムイオンという特徴的な組成をしています。この違いが、ちょうど電池の役割を果たすことになり、有毛細胞で「毛」が刺激された時にイオンの流れができることに関係しています。血管条は、有毛細胞が機械的な振動刺激を電気信号に変えるための電池の役割を果たしていると言えます。

蝸牛断面図(血管条)

蝸牛断面図

 

◆「「聞く」仕組みについて」の記事一覧◆

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