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各聴覚器官の役割
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人工内耳F先天性高度難聴と言語習得

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先天性高度難聴と言語習得

 一方、先天性の高度難聴や言語習得前の難聴であると、まず脳の中に言語のネットワークを作り上げる段階からスタートしなければなりません。2歳前後の幼児期に人工内耳手術をすると、その後の経過は順調で、日常生活では、ほぼ不自由のないレベルまで言葉が獲得できます。しかし、人が言葉を十分に獲得できる年齢には限界(臨界期)があり、だいたい5歳ころまでとされています。この臨界期を過ぎると、言葉を新たに獲得するのは非常に難しくなり、人工内耳による言葉の聞き取り成績も不十分になり、話し言葉のひずみもなかなか取れません。
 近年、欧米では、1歳未満で人工内耳手術を行う例が多くなってきましたが、それは以上のような理由によります。このような超早期人工内耳手術による子どもたちの言葉の発達はめざましく、聴覚活用の効果も非常に高いと報告されています。日本では1歳以下の幼児に対する手術の危険性や正確な聴力が把握できないなどの理由で、手術年齢の下限を2歳くらいとしていますが、今後さらに低年齢の幼児が人工内耳手術を受けるようになると思われます。
 もう一つの問題は、難聴児が大人へと成長していく過程でのアイデンティティー形成の困難さがあります。人工内耳で得られる聴力は上記のように実用上極めて有効な働きをしますが、完全なものではなく、補聴器を装用する難聴児と同じ心の問題が生じます。難聴児が集団生活や実社会で経験する言葉の壁はけっして薄いものではなく、往々にして孤独感や無力感を経験し、自己のアイデンティティーが揺らぎます。この危機を乗り越えるには、同じ難聴児との連携や家族の支え、教育や医療担当者の支援だけでなく、さらに社会全体の聴覚障害に対する理解が望まれます。

 

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◆「補聴器と人工内耳・中耳について」の記事一覧◆

☆聴覚の基礎知識☆
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 ・音が脳に伝わる仕組み
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◆各聴覚器官の役割◆
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