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有毛細胞が壊れる原因A壊れる仕組み

- 難聴の原因ついて

 

有毛細胞の壊れる仕組み

 感音難聴(カンオン・ナンチョウ)は、多くの場合、この有毛細胞の障害が関与すると考えられています。もちろん実際の難聴患者さんの内耳を取り出して観察するわけにはいきませんので、主に動物モデルでの実験結果から推測することになります。突発性難聴や老人性難聴などでは難聴の原因が1つではない可能性も高く、動物モデルの作製や解釈に困難が伴いますが、いくつかの研究が進められています。また、薬物の副作用での難聴は同じ薬を動物に投与することで、遺伝性難聴ではその遺伝子の機能を阻害した動物を作製することで、比較的ハッキリとしたデータを得ることができます。
 抗生物質の中でも、抗結核剤のストレプトマイシンに代表されるアミノグリコシド系抗生物質と呼ばれる薬剤や、ある種の抗ガン剤(シスプラチンという薬物など)の副作用で難聴が起こり得ることはよく知られています。これらの薬物は、蝸牛(カギュウ)のなかで主に有毛細胞を障害します。二回転半の蝸牛の中では、下の方の基底回転から上方の回転の方へと徐々に障害が進行します。蝸牛の下の方が高い音を感じ、上方の部分で低い音を感じています。そのため、薬物が原因で起こる難聴の場合、高い音からまず障害されます。有毛細胞の中では外有毛細胞がまず障害され、内有毛細胞が障害されるのは外有毛細胞障害が高度になってからです。これらの薬物が有毛細胞を障害する機序(仕組み)としては、活性酸素や活性窒素などのフリーラジカルと呼ばれる物質が細胞死を引き起こしていると考えられています。

蝸牛の断面図(内・外有毛細胞)

蝸牛の断面図

 フリーラジカル(free radical)は、老化や癌(ガン)の発生など、幅広い分野で人間の細胞の調子をおかしくしてしまう物質として注目されています。いろいろな健康食品のうたい文句にも、フリーラジカルが悪玉因子として紹介されているものをよく見かけます。大きな音を聞いて難聴になる場合、音響外傷による難聴と呼びます。以前には、戦争時の大砲の音などで難聴になり、最近ではロックコンサートの後などに起こることもある難聴です。音響外傷でも有毛細胞の障害が見られ、やはりフリーラジカルが関与すると考えられています。年をとって起こる老人性難聴においても、また内耳の血液の循環障害で起こる難聴でもフリーラジカルが鍵を握っているようです。
 遺伝子も有毛細胞障害に関係しています。ある種の遺伝子異常が有毛細胞を障害することも知られています。これは、ある薬の効き方が人によって違うことと同じような仕組みによるものです。遺伝子異常により、老化による有毛細胞障害が進行したり、有毛細胞の機能を低下させてしまうことも知られています。

 

◆「難聴の原因について」の記事一覧◆

☆聴覚の基礎知識☆
◆音が聞こえる仕組み◆ 
 ・音が脳に伝わる仕組み
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◆各聴覚器官の役割◆
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