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薬物性難聴の原因A蝸牛への影響(障害箇所)

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薬物の蝸牛への影響(障害箇所)

 薬剤による蝸牛(カギュウ)の障害部位は、有毛細胞、ラセン神経節細胞、血管条(ケッカンジョウ)などいろいろあり、副作用の出現時期も急性に起きる場合、ゆっくり起きる場合があります。ここでは、代表的なアミノグリコシド系抗生物質と抗ガン剤のシスプラチンがどのように蝸牛障害を引き起こすのかについて説明します。
 アミノグリコシド系抗生物質が障害するには有毛細胞です。蝸牛では、内有毛細胞よりも外有毛細胞が先に障害されます。最近の研究では、アミノグリコシド系抗生物質が有毛細胞内でフリーラジカルという、細胞を障害させる物質を発生させ、ミトコンドリアの障害が引き起こされることが示されています。ミトコンドリアの障害により、有毛細胞の中で細胞死をすすめる物質が放出され、有毛細胞は死んでしまいます。


蝸牛の断面図(内・外有毛細胞の位置付け)

蝸牛の断面図

 実験的には、この細胞死の経路を止める物質によって、有毛細胞の細胞死を食い止めることができることが明らかにされています。また、アミノグリコシド系抗生物質は、有毛細胞を攻撃することが特徴ですので、平衡感覚を司る前庭(ゼンテイ)というところの有毛細胞も細胞死に追いやってしまいます。アミノグリコシド系抗生物質の副作用は、難聴や耳鳴りではなく、目眩(メマイ)やふらつき、立ちくらみといった症状で始まることがあります。
 抗ガン剤のシスプラチンは、アミノグリコシド系抗生物質とは異なり、有毛細胞、ラセン神経節細胞、血管条の細胞を攻撃します。しかし、目眩と関係する前庭の有毛細胞障害は少ないとされています。シスプラチンに対して最も弱いとされているのは、蝸牛(カギュウ)の外有毛細胞と血管条です。シスプラチンの毒性もフリーラジカルを介していることが報告されています。

 

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